第2回 企業DCの税制優遇と社会保険料軽減
企業型DCの経済的メリットを整理する
企業型確定拠出年金(企業DC)は、税制優遇だけでなく「社会保険料の負担が軽くなる」という点も大きな魅力です。これは給与として現金支給する場合と比べて、企業・従業員の双方に直接的な経済メリットがあることを意味します。
1.給与との比較でわかる「税・社会保険料」の差
| 給与として支給 | 企業DCとして拠出 | |
|---|---|---|
| 所得税・住民税 | 課税対象 | 非課税(拠出時) |
| 社会保険料 | 算定対象 | 算定対象外 |
| 運用益 | 課税(20.315%) | 非課税 |
| 受取時 | 全額課税 | 優遇控除あり |
ポイント:
企業DCの掛金は、拠出時に「所得税・住民税」だけでなく「社会保険料」もかかりません(健康保険・厚生年金・雇用保険等)。
給与として受け取るよりも「手取りが増える」「企業負担が軽減される」という実務的なメリットがあります。
2.企業DCの税制優遇
掛金拠出時
企業が拠出する掛金は、企業側では「損金算入」が認められ、従業員にとっては所得税・住民税の課税対象外です。運用時
運用益は非課税(通常の投資信託等は20.315%課税)。受取時
一時金は「退職所得控除」、年金形式は「公的年金等控除」など、税制上の優遇措置が適用されます。
3.社会保険料の軽減
企業DCの掛金は、健康保険・厚生年金・雇用保険等の社会保険料算定基礎に含まれません。
そのため、たとえば月1万円分を給与でなくDCに拠出した場合、企業・従業員双方で社会保険料の負担が減少します。
この「社会保険料軽減効果」は、実際の手取りや企業のコスト削減に直結するため、導入動機として非常に重視されています。
注意:
社会保険料が全く不要になるわけではなく、「拠出額が社会保険料計算から除外される」点がポイントです。
4.その他の注意点・法的根拠
掛金の上限は法令(確定拠出年金法、健康保険法、厚生年金保険法等)で定められています。
「マッチング拠出」や「iDeCoとの併用」には制限や例外もあります(2024年法改正対応済み)。
制度内容や適用範囲は企業ごとに異なる場合があるため、詳細は勤務先または専門家へご確認ください。
5.まとめ
企業DCは、「税制優遇」と「社会保険料の軽減」という二つの大きな経済メリットがあります。企業と従業員の双方にとって、現金給与とは異なる形で効率的に老後資金を準備できる制度です。
次回は「運用商品の選び方とリスク管理」について詳しくご説明します。