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第4回 企業DCの受給の仕組みと受け取り時の注意点

受け取りは「年金」か「一時金」か、選べる

企業型確定拠出年金(企業DC)で積み立てた資産は、原則60歳以降、受給資格を得た時点で「年金」または「一時金」として受け取ることができます。
受け取り方は、「一括で受け取る(一時金)」もしくは「複数回に分けて受け取る(年金)」、もしくはその組み合わせが選択できます(制度設計や運営管理機関によって選択肢に違いあり)。


1.受け取り時の流れと要件

  • 受給開始年齢
     原則60歳から。ただし、加入期間(通算加入者等期間)が10年以上ないと、受給開始年齢が繰り下がる場合があります(5年以上10年未満は61歳から、以下最長65歳まで繰下げ)。

  • 受取方法の選択
     一時金(全額をまとめて)、年金(5年以上の分割払い)、または両方の組み合わせから選べるのが一般的です。

  • 手続き
     運営管理機関(信託銀行・証券会社等)を通じて所定の申請を行います。各社で申請書式やスケジュールに違いがあるため、早めの確認・準備が重要です。


2.受給時の税金

受給時には、受け取り方によって課税方法が異なります。

  • 一時金で受け取る場合
     「退職所得」として課税。退職所得控除が適用されるため、多くの場合、税負担は大きく軽減されます。
     例)勤続20年超なら「40万円×勤続年数+70万円」の退職所得控除。

  • 年金で受け取る場合
     「雑所得」となり公的年金等控除が適用。年金形式の場合、年ごとに他の年金(厚生年金・国民年金等)と合算して税額が計算されます。

  • 社会保険料との関係
     受給時は原則として社会保険料(健康保険・介護保険等)の算定基礎には含まれません。


3.受け取り時の注意点

  • 受給開始時期・方法を誤ると、税負担が重くなる場合も
     退職金や他の年金との受給タイミングが重なると控除が分散され、不利になる場合があります。

  • 長期間放置した場合
     70歳までに請求しないと「脱退一時金」などの特例扱いになることがあり、運用益が減る・税優遇が限定される場合も。早めに手続きを。

  • 死亡や障害等のリスクにも備えを
     被保険者が死亡した場合は、遺族が資産を受け取ることも可能。規定や手続き方法は必ず事前確認を。


4.よくある誤解・FAQ

  • Q:一時金と年金、どちらが有利?
     →退職所得控除の有無、ほかの退職金・年金の受給状況によって異なります。個別に試算・検討が必要。

  • Q:受取時に損をしないためには?
     →受取方法・時期の選択、他の年金・退職金との調整を慎重に。

  • Q:受け取り忘れはある?
     →あり。特に転職・退職時の住所変更や連絡漏れに注意。運営管理機関に必ず最新情報を届けること。


5.まとめ

企業DCの受給は「一時金・年金」を選べ、税制上の優遇も受けられますが、受取時期・方法によって手取り額が大きく変わることもあります。
将来のライフプランや他の資産とあわせて、早めに受給方法を検討し、必要に応じて専門家に相談しましょう

次回は「よくある質問と導入・利用の実際」についてご説明します。